まず、pre-service教師による日本語指導の特性とin-service教師の日本語指導の特性とを比較検討するために、双方の教師の未習外国語授業を行いVTRに収録し、それをBIAS、Wragg、COLTを用いて分析を行った。これにより、pre-serviceの教師に見られるもののin-serviceには見られない特徴として次の点が明らかになった。 ●一つ一つに活動が長く単調である。 ●教師の1回1回の発話、板書が長い。 ●コーラスなど学習者全体で行う活動が多い。 ●教師の発話や教師→学習者の活動が多く、学習者同士の活動が少ない。 ●意味の説明の前に教師が発話したり、リピートさせる。 単語の練習を十分に行う前に文型の練習に入っている。 ●定着が十分になる前に次の活動に入り、しばらくしてまた同じ活動に戻る「逆戻り」現象が多い。 次に、以上の点を踏まえ、実習生に日本語指導の方法を指導する観点として「授業構造」に着目し、そこから授業を分析する具体的な方法についてそのプロトタイプの作成に取りかかった。ここでいう「授業構造」とは、次のような事柄を指す。 a.授業の構成要素とその特性 b.各授業構成要素間の有機性 c.各授業構成要素の特性を具体化するものとしての指導技術、教具・教材 d.以上の各項目の所与の条件下におけるバリエーション
|