研究概要 |
体長-年齢変換における研究では,古典的年齢-体長キ-法の適用範囲の狭さを克服すべく開発された,くりかえし年齢-体長キ-法はEMアルゴリズム(不完全データからパラメータを推定する統計的手法)であると指摘した論文をたっき台にしてスタートした。そしてこの指摘が必ずしも正確でない事を見い出した。つまりくりかえし年齢-体長キ-法は通常のEMアルゴリズムよりもっと複雑な構造をもっており,不完全データからの推論としてより面白いものである。 これについてはさらに次年度で研究を続けたい。さらに体長データから年齢分布を推定するための対数線型モデルを用いた論文についても研究を行った。 もう一つの研究として体長のみの"不完全データ"からEMアルゴリズムを用いて成長式の推定のための統計モデルの開発の研究も行った。これも次年度においてさらに発展が期待される研究テーマである。 岩手県水産技術センターに出張した際アワビ年齢査定の方法としての殻焼き法の説明を現地研究者から説明を受けた。体長-年齢変換の方法からの推定とどの程度違いが出るのか知りたい所で,実際殻焼き法でいくつかのサンプルについて試みる予定であったが,残念ながらサンプルが手に入らずできなかった。来年度に期したいと思う。
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