3次元確率場の単位体積当たりの等価的無相関な点の数としての意味を持つ統計的自由度を定義した。これは、時間軸を含めた3次元、あるいは4次元の動的確率場にも適用できるものである。この自由度は一般に整数次の自由度が考えられるが、2次元場の場合と同様、物理的に意味があるのは1次と2次の自由度である。これらの自由度はFisherの情報量と同じ、またはその簡易版であり、一般にはFisher情報量の計算は難しいのに対し、ここでの自由度は簡単に求めることができる。 このような自由度に用いて、1次元の確率場に対して定義された、合い隣り合う等価的に無相関な点の間の距離としての相関距離や、2次元の1点が統計的にな意味で支配する領域の広さとして相関面積の他に、同様な意味での相関体積の概念も導いた。さらに、決められた体積(または面積)内に無相関な平面(直線)が何枚(何本)あるか、という意味での自由度や、隣り合う平面(直線)間の面相間距離(線相関距離)を導くことができた。そして、この面相間距離(線相関距離)のもととなる面相間関数(線相関関数)が自然な形で導出された。 これらの概念を多次元または多変量時系列に適用することにより、従来の2点間の相関の集合としての相互相関ではなく、時系列全体を考えたときの2つの時系列間の大域的な相関の強さの自然な定義を得た。また、何本かの時系列を束ねてみたときの、全体としてどの程度の結合力があるかを示す結合度も導出された。また、束としてみたときの複数時系列の相関関数(束相関関数)も導出した。これにより、複数の時系列を束としてみたときの相関時間も得られた。
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