研究概要 |
本研究の目的は次の2点に集約される。 ・自律協調計算,メタ計算,モ-ビル計算などに見られる高度なパラダイムを有する並行システムを記述・解析するための「高階並行プロセス計算モデル」を構築し,その動作的意味論に関する基礎理論を確立する. ・上記に基づいたプログラミング言語を開発し,実践を通して本モデルと基礎理論の妥当性を実証する. 本年度は,以下の項目に関して,以下の成果を得た. 研究項目(1)高階並行プロセス計算モデルの構築(前年度からの継続研究) 高度な計算パラダイムを有する並行システムを記述・解析するための「高階プロセス計算モデル」を構築した.このモデルは,それぞれ研究項目(2),(3)で展開する数学的議論とプログラミング言語のベースモデルとなる. 研究項目(2)高階並行プロセス計算の動作的意味に関する数学的基礎理論の確立(前年度からの継続研究) (1)で提案した計算モデルに対して,等価性,モデルチェッキング,多相タイプ付けに関する研究を実施し,その数学的基礎を確立させた. (3)高階並行プログラミング言語の開発 (1)のモデルに基づいた高階並行プログラミング言語を設計し,スパークステーション(設備備品費)上にその処理系を試作した. (4)実践的な適用を通した本モデルと理論の検討 (3)のプログラミング言語を実際の問題に適用しその成果を検討することによって,本モデルと理論の実用性の面での妥当性を実証した.
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