研究概要 |
1.本年度は前年度に行なわれた最適3角形分割の辺長和の下限値や最適3角形分割の辺集合の部分集合を求めるためのLMT-skeletonに関する研究成果をもとに,辺長和最小化基準の下での最適3角形分割を求める分枝限定法を開発した。分枝限定法の有効性を確かめるための広範な計算機実験をおこない,その結果、一様乱数によって得られた数百程度の点集合に対して,この緩和問題の有効性を確かめた。 2.また,LMT-skeletonによる方法では最適3角形分割を求めることが極めて困難な問題例に対しても、開発した分枝限定法を適用し,提案手法の有効性を検証した。その結果,前年度に開発した計算方法による下限値が良好なことと,LMT-skeletonが一様乱数によって得た点集合に対しては十分大きな部分集合となることから,最適3角形分割が短時間で厳密に求められることがわかった。また,難しい問題例に対しても(306点までの問題例に対して)、時間はかかるが最適3角形分割が計算可能であることが検証できた。 3.また,実用上の観点から得られる三角形分割の三角形において非常に小さい鋭角や非常に大きい鈍角は望ましくない。この点を考慮して,角度制約付きの最適3角形分割問題を定式化し,これまでの研究成果をもとに、その問題を解く方法を提案した。 4.最適三角形分割問題の応用として,建築にあらわれる構造最適化問題を考察した。とくに,三角形ユニットからなる曲線状平面トラス,および四角錐ユニットで構成される曲面状立体トラスに対して、構造特性に関する制約下のもとで,最適トポロジーや最適節点位置を求める問題を定式化し,その解法を提案した。
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