研究概要 |
1.最適三角形分割を構成する辺の部分集合を求める強力なヒューリスティックとして最近注目を集めているLMT-skeletonを求める手法を計算時間,および出力する辺集合のサイズの両面から改良した。計算機実験をおこなった結果,数百程度の点集合に対してはほとんどの場合,LMT-skeletonは単一の連結成分を構成することが確かめられた。また,最適三角形分割問題の新しい緩和問題として,二つの異なる3角形分割によって生成される重みつき二部グラフの最小重みマッチング問題を得ることができた。この緩和問題から得られる下限値の有効性を計算機実験によって確かめた。 2.以上の研究成果をもとに,辺長和最小化基準の下での最適3角形分割を求める分枝限定法を開発した。一様乱数によって得られた数百程度の点集合に対して計算機実験をおこない,この緩和問題の有効性を確かめた。LMT-skeletonによる方法では最適3角形分割を求めることが極めて困難な問題例に対しても、開発した分枝限定法を適用し,提案手法の有効性を検証した。 3.また,実用上の観点から得られる三角形分割の三角形において非常に小さい鋭角や非常に大きい鈍角は望ましくない。この点を考慮して,角度制約付きの最適3角形分割問題を定式化し,これまでの研究成果をもとに、その問題を解く方法を提案した。 4.最適三角形分割問題の応用として,建築にあらわれる構造最適化問題を考察した。とくに,三角形ユニットからなる曲線状平面トラス,および四角錐ユニットで構成される曲面状立体トラスに対して、構造特性に関する制約下のもとで,最適トポロジーや最適節点位置を求める問題を定式化し,その解法を提案した。
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