研究概要 |
2つのクロンがsemirigid(rigid)であるとはその共通集合が射影関数と全ての定数関数(射影関数)だけである場合を言う(概念としては,このとき2つのクロンは「直交」している)。集合k={0,...,k-1}の上の置換はk上の多値論理関数に,自己双対関数を誘起するが,固定点を持たない (fixed-point-free)な置換で誘起される自己双対クロンは極大クロンをなしており,重要である。本研究では自己双対関数のクロンの間に成り立つrigidi性を,それぞれのクロンの土台(foundation;一変数関数のなす部分集合)のrigid性で判定できるかどうかという一般的手法の基づいて考察した。結果.kが素数のとき,任意の2つの極大クロンの土台(1変数関数)はrigidである,すなわち2つの土台が共有する関数は恒等写像のみである事を示した。このとき,その2つの極大クロンの共通集合が,射影関数,すなわちe^n_i(x_1,...,x_n)=x_iの形の全ての関数のみになっているかどうかという問題を未解決問題として定式化した。
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