研究概要 |
1.実験に用いる旅行小切手を4種類印刷した. 2.背景除去を色を用いて行うことができるかどうかをこれらの四種類の旅行小切手をfull colorでscannerから取り込み特性を調べた.そこでは光の三原色の濃度分布はほぼ相似な分布を示し,単純に明度分布を用いた場合と同等な結果を与えた.色相や彩度分布も背景を除去する有効な特徴を与えないことが分かった.背景除去の問題は次年度の重要課題となる. 小切手欄に存在するガイドラインを署名文字から除去するため,ニューラルネットワークによる画像変換を試みた.モデルとして5x5,7x7などの小領域で検討した.種々の検討を行ったところガイドラインの除去は可能であり,さらに線の除去時に生じる文字部分の欠落部の補間も可能なことが分かった.これらの線の除去,欠落部の補間を実データで行うことは次年度の課題となる. 4.インドネシアの留学生に依頼してインドネシアで署名を収集してもらった.また,署名欄が旅行小切手よりある程度大きい用紙にも署名を書いてもらい,ガイドラインの有無,男女の署名の仕方の違い,教育の有無による違いなどを調べた. 5.照合法の検討.これまで行ってきた口頭発表の内容を論文にまとめた.日本人の署名の場合は署名の構成文字へ分解して照合した方が照合率は良くなることを実験的に示している.また,新たにsegementation & recognition法を考案した. 電子情報通信学会のPRMU研究会からの依頼を受け,内外の筆者認識技術研究の現状を調べ,今後の動向について発表した.
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