電子回路は一般に幾つかの機能ブロックを組合わせて構成される。それぞれの機能ブロックはより簡単な機能ブロックの組合わせとして構成され、最終的に個々の部品の組合わせとなる。これまでこの機能ブロックのハイアラーキ構造を回路の文法規則として表す研究を進めてきた。与えられた回路は文法的な文としてみなすことができ、回路の構文解析を行うことで回路の構造や動作を説明することができるようになる。 この研究を実証的に進めるために、回路図を読み構造や動作を説明することのできるシステムをコンピュータ上に構築することを計画している。本年度はワークステーションS-4/5を購入し、このマシン上にPaul Tarau教授(カナダMoncton大学)の協力を得て、同氏の開発されたプログラミング言語Bin-Prolog5.5をインストールすることができた。このProlog言語はTCL/TK言語のプログラムを呼ぶことができるので、Prologの推論機能とTCL/TKのユーザインタフェース機能を持つシステムを開発することが可能になった。また、回路の動作に関する知識を整理し、回路の文法規則に意味情報の形で付加するための作業を開始した。
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