研究課題/領域番号 |
08680423
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研究機関 | 図書館情報大学 |
研究代表者 |
佐藤 隆司 図書館情報大学, 図書館情報学部, 教授 (90041805)
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研究分担者 |
後藤 嘉宏 図書館情報大学, 図書館情報学部, 助手 (50272208)
原 秀成 図書館情報大学, 図書館情報学部, 講師 (00238164)
大庭 治夫 図書館情報大学, 図書館情報学部, 教授 (50152236)
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キーワード | 馬場重徳 / 戦後日本の図書館政策 / 戦後日本の図書館学とドキュメンテーション |
研究概要 |
荒廃した戦後日本の学問の復興とりわけ大学図書館のそれ、ヨーロッパ流のドキュメンテーション概念を導入しての図書館情報学の確立に、文部省行政官として後に図書館短期大学教授として故馬場重徳の果たした役割は一部の人は理解されているが、多くの人に知られているわけではない。図書館政策をめぐって、文部省の馬場と連合軍総司令部(GHQ)との間に激しい論争があったことは口伝えには知られているが、資料的に確かめられていない。馬場の逝去(1993)後、遺品の整理を本研究会のメンバー間ではじめていたが平成8年度から3年間の科研費がつき、段ボール約100箱の整理を行い、目録作業を行ってきた。GHQ文書との照合などを行うために、国立国会図書館図書館研究所、同憲政資料室、東大法学部占領体制研究室などから関連資料の閲覧と複写を行い、馬場の貢献を明確化することにつとめた。 その結果、行政官としては、(1)総合目録の実現に多大の貢献をした、(2)大学図書館の地区協議会を発足させ、国公私の違いを越えた横断的な連合体を作り、複写サービスなどに画期的な貢献をした。(3)大学図書館職員に地位向上に多大な力を尽くした、(4)学術用語集の編纂の実質的な中心人物となった。図書館情報学研究者としては、(1)ドキュメンテーション概念を導入し、わが国の公共図書館的、経験論的図書館サービスを研究者社会の利用に答えられるような学術図書館サービスにすべくその理論的基礎づけを行った(2)その理論の中でもとりわけ書誌方程式、ユニオン・インデックスなどのアイディアは世界的にみて画期的である、(3)まれに見る語学力を駆使して世界各国語による図書館学用語辞典を編纂しつつあり、チェツコ語を見出゙しとし、8カ国語によるそれがほぼ完成していた、(4)非ヨーロッパ語文字のローマ字翻字へも多大な貢献をしていた。 これらを本研究代表者佐藤隆司が1998年秋、ピッツバーグで開かれたASISの学会で発表し、世界の代表的図書館情報学者をして一挙に馬場に対する注目度を高めしめた。
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