ネットワークシステムの動作を監視し、特性データを測定するための方式について検討した。商用ネットワーク管理システムでは、ネットワークの動作状態の管理にSNMP(Simple Network Management Protocol)あるいはOSIのネットワーク管理プロトコルに基づいた管理システムが用いられる。こらは、ネットワーク管理の対象となる機器に管理機能の代行をするエージェント機能を用意し、全体を管理するノードとの通信により、ネットワーク全体を管理するものである。 管理対象となる機器のすべてがSNTPのエージェント機能を備えている場合にはこの方式が有効であるが、必ずしもSNTPに対応している機器のみでネットワークが構成されることは少なく、標準的なネットワーク管理プロトコルによらないネットワークシステムの監視法が望まれる。 本研究では、ネットワークの経路情報を追跡するtrace routeコマンドとネットワーク機器の応答を調べるpingコマンドを定期的に発行し、それによって得られる情報からネットワークセグメントの動作状態を推測する方式を考案し、プロトタイプシステムの試作により、本方式の有効性を実験的に評価した。 実験により、本方式の有効性を確認した。さらに、得られたデータをわかりやすい形式で表示する可視化システムの基本設計を行った。
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