研究課題/領域番号 |
08680432
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
湊 小太郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00127143)
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研究分担者 |
高橋 隆 京都大学, 医学研究科, 教授 (40055992)
小森 優 京都大学, 医学研究科, 講師 (80186824)
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キーワード | ヒューマン・インターフェース / HCI / CHI / ユーザビリティ / 病院情報システム / オーダーエントリ-システム / カルテ庫 / VRML |
研究概要 |
本研究では、HCIにおけるインターフェースの使いやすさを定量的に評価するための仮設と尺度を提案した。作業仮説は次のようなものである。すなわち、「明確な枠で囲まれたウインドウが開くたびにユーザの作業記憶を1チャンク占有する。」一方、人間の作業記憶容量は7チャンク前後であるとされている。したがって、適当にタスクを分割して、課題遂行の各過程でこの容量を超えないようなウインドウ展開をもったインターフェースを設計するべきである。病院情報システムにおける実際の処方オーダーエントリ-に関する調査と、シミュレーターによる実験心理的観察を通して、この作業仮説を検証することが、この研究の目的であった。 研究計画に従って、以下のような成果を得た。 1)仮説に基づいたインターフェースを持つ病院情報外来処方オーダーエントリ-システムを作成・開発し、実用に供した。 2)実験室環境で心理学的観察ができるように、シナリオに従ってウインドウの開閉を自由に制御できるシミュレータをJAVAを用いて作成した。種々の処方オーダーインターフェースについてその記憶負荷を評価するために、計算機入力課題の開始前にランダムな文字・数字を記憶させ、課題終了後に再生させるような記憶負荷実験の仕組みを作った。そして、実際に被験者を用いて評価実験を行った。現在、再生できた文字数や課題達成時間の変化データをもとに実験結果を解析中である。今後はこれらの結果を総合的に分析して、病院情報システムのインターフェース標準化への利用を検討する予定である。 3)研究遂行の過程で現実的なカルテ管理の問題に遭遇し、カルテ庫内の案内システムを作る機会を得た。実際のカルテ倉庫をそっくりまねた仮想的なカルテ庫モデルをVRMLで作成し、紙の地図(倉庫と棚の平面図)とVRワークスルーによるナビゲーションとの認知上の差異を検討した。この実験の分析もまだ途上であるが、ケースによってはVRによる案内の方が時間的にも速い場合があることが確認できた。
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