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1997 年度 実績報告書

劣モジュラ構造を有する大規模組合せ的システムの解析技法の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08680450
研究機関大阪大学

研究代表者

藤重 悟  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (10092321)

キーワード劣モジュラ関数 / 組合せ最適化
研究概要

グラフ・ネットワークなどの組合せ的システムや代数的システムに関連する諸問題においてマトロイド構造やフロー境界多面体などを介して劣モジュラ構造がしばしば基本的で重要な役割を果たす。本研究では、このような劣モジュラ構造を有する大規模組合せ的システムを解析するために有用と思われる劣モジュラ構造の基本的諸性質を明らかにし、解析技法の研究を行った。
劣モジュラ構造を有する最適化問題の数理モデルとして劣モジュラ・フロー問題は最も有効なモデルの一つであり、その問題の解法が精力的に研究されてきている。本研究では、ネットワーク・フロー・アルゴリズとして極めて強力な解法であるA.V.Goldbergによるpush/relabelの技法を劣モジュラ・フロー問題へ拡張し、その有効性を明らかにした。
つぎに、劣モジュラ構造を表現する劣モジュラ関数を一般化した双劣モジュラ関数や双劣モジュラ・システムの研究を行い、いくつかの有用な成果が得られた。また、双劣モジュラ関数の定義域が符号付き半順序集合のイデアルの全体として表現できることを明らかにし、そのような符号付き半順序集合に重みのついた最適イデアル問題の効率的解法を示し、符合付きグラフである双向グラフの強連結成分への分解と符号付き半順序構造について、それらを求める効率的アルゴリズムを導いた。また、双劣モジュラ関数の基本的性質とそれに関連して定まる多面体である双劣モジュラ多面体の構造を明らかにした。とくに、双劣モジュラ多面体上のl_1ノルムに関する最小ノルム点を特徴付ける最大・最小定理と整数性定理を示した。これは、劣モジュラ関数に関係してこれまでに知られている交わり定理などの多くの最大・最小定理、整数性定理を特別な場合として含む極めて強力な定理であり、今後種々な組合せ最適化問題への応用が期待される。また、双向グラフを台グラフとするネットワーク・フロー問題を考え、双向ネットワーク・フローと双劣モジュラ・システムの関係を明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Fujishie: "A push/relabel framework for submodular flows and its refinement for 0-1 submodular flows." Optimization. 38. 133-154 (1996)

  • [文献書誌] K.Ando: "A characterization of bisubmodular functions" Discrete Mathematics. 148. 299-303 (1996)

  • [文献書誌] K.Ando: "Decomposition of a bidirected graph into strogly connected components and its signed poset structure." Discrete Applied Mathematics. 68. 237-248 (1996)

  • [文献書誌] K.Ando: "On structures of bisobmodular poyhedra." Mathematical Programming. 74. 293-317 (1996)

  • [文献書誌] S.Fujishige: "A min-max theorem for bisubmodular polyhedra" SIAM Journal on Discrete Mathematics. 10. 294-308 (1997)

  • [文献書誌] K.Ando: "Balanced bisumodalar systems and bidirected flows" Journal of the Operations Research Society of Japan. 40. 437-447 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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