(1)排出NOxの排出口近傍でのNO→NO2変換挙動について明らかにするため、NOxとメタンの反応を含む反応モデルを作成し、検討を行った。その結果、500〜700℃の温度範囲で燃焼排気中にメタンが存在すると、NOの酸化が促進され、それは、メタン、酸素、水蒸気、CO、及び大気中の光強度などに影響されることが分かった。そして、排出口近傍でのNOからNO2への変換は無視できないことが明らかになった。 (2)可燃物の燃焼スモ-クから生成する気相スモ-クラジカルの生成機構に関する知見を得るため、ポリプロピレン及びポリメタクリル酸メチルについて、燃焼条件が生成物分布に及ぼす影響を、ガスクロマトグラフを用いて検討した。その結果、含酸素化合物の生成挙動と気相スモ-クラジカルの生成挙動との間に相関が認められ、アセトンの燃焼スモ-クから気相スモ-クラジカルが検出された。この結果、気相スモ-クラジカルを生成する準安定な中間体は、含酸素化合物の燃焼によって生じる可能性が示唆された。 (3)気相スモ-クにより引き起こされるシステアミンの減少の機構を明らかにするため、抑制剤の効果を検討した。アスコルビン酸に抑制効果があること、及びアスコルビン酸ラジカルが検出されたことより、気相スモ-クラジカルの関与が示された。
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