研究概要 |
平成8年度は,各顧客がそれぞれのカタログでどのような商品を購入したかに関するデータを整備した.この上で,顧客の購買行動を表現する目的で,マルコフチェーンに基づき基本モデルと,購買意欲パラメータを導入したモデルの構築を行った.このような顧客購買行動を表現するモデルを構築することは,科学的経営戦略を考案するために必要不可欠である. 基本モデルでは,カタログを送付したときに,顧客が何らかの商品を購入するかしないかの2状態を考え,前述のデータを用いて状態推移確率のパラメータ推定を行った.これにより,基本モデルは,現実の分析において大きな指針となっている.直近の購買時期,購買頻度,購買金額のうち,購買頻度を表現できることが明らかとなった. 次に,顧客に購買意欲がある,無しの2状態を考え,購買意欲のある顧客が一定の確率で商品を購入するという拡張モデルを構築した.本モデルにおいても,前述のデータを用いてパラメータの推定を行った.この結果,本モデルが,現実の分析において大きな指針を与えている直近の購買時期,購買頻度,購買金額のうち,直近の購買時期,購買頻度を表現していることが示せた.
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