研究概要 |
本年度は、平成8年度に開発した流し撮り、こま撮りの同時観測可能な軟X線用高速度カメラシステムを軟X線領域のみならず、可視光によるプラズマ形状の同様な観測を同時に可能とするように発展させた。それによりプラズマフォーカス装置により生成されたプラズマの観測を行い可視光によるプラズマの形状と、その中で軟X線を発生している超高密度状態プラズマとの相関を検討して、軟X線発生機構をさらに追求した。その結果軟X線は可視光で観察したプラズマ柱で切断部において発生していることが明らかとなった。これはプラズマ柱切断にともない発生する電子ビームによる加熱のため高強度の軟X線の発生していることを示す。 本年度は更に、プラズマフォーカス放電の直前にAl,Cu,Tiなどの金属をパルス放電によりプラズマ化しおよびNe、Ar、CO_2などのガスをパフして、圧縮し、フォーカス放電によりそれらのプラズマの高エネルギー状態を生成し、さまざまな波長の軟X線を発生させることを意図した、凸面型(PbAP、r=12.5mm)の分光素子とする3〜23Åの波長帯の観測を可能とするイメージング型分光器を整備して上述の元素の分光観測を行った。 各種の元素をパフした場合には、Arを例とすると従来定説とされて来たあらかじめ充填した場合の放電電流と軟X線発生量についてのスケーリング則により期待される値の約5倍の軟X線発生量が得られた。
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