(1)運動論的アルヴェン波を励起すべく、MPDアークジェットプラズマ源の調整を行い、最適のガス(ヘリウム)圧、タイミング等を設定した。 (2)データ処理システムを整備し、空間構造の解析が可能なソフトを作成した。 (3)運動論的アルヴェン波の電磁場構造及びそれに伴う沿磁力線電流の検証を、実験的に明らかにするために、まずヘリカルアンテナを2個用いてm=-1の定在波を励起し、磁力線方向の波数を決定し、シア(運動論的)・アルヴェン波が局在的に励起されることを確認した。 (4)磁力線に沿ったイオン電流或いはプラズマ流を定量的に測定するために、マッハプローブを各種作成し、そのテストを行った。マッハプローブは最近各方面で幅広く使われ始めているが、まだその使用方法は試行錯誤であり、特に絶対値量はプローブの構造、サイズに依存しているため、我々は、 (5)マッハプローブの磁力線方向のサイズを変えることにより、プレシースの影響でプローブへの電流量がどのように変わるかを定量的に測定した。さらにこのプローブを較正するため、我々は次の方法をとった。 (6)アルヴェン波の圧縮波(速波)の分散がプラズマ流の影響を受けるのを利用し、上流から伝播させた場合と下流から伝播させた場合の差から流速を径の関数として求め、これによりマッハプローブをほぼ較正することができた。 (7)今回の研究は、マッハプローブのテスト及び較正に時間がかかり、初めの目的まで到達できなかったが、沿磁力線電流の測定の見通しが立ったこと、さらに、電磁場構造を測定すべく、2次元のプローブ測定システムもほぼ完成したので、目的としている研究へ大きく一歩前進したといえる。
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