研究概要 |
430MHz高周波源を用いて,減衰モードでのRF印加による臨界超過の高密度定常プラズマの実現をはかること,およびこれまでの2450MHzによる実験との比較が主な狙いであった。 これまでの実験に用いてきた小型16極磁場装置(150mmφx400mmガラス真空容器)を,スケールアップした装置(300mmφx340mmガラス真空容器)製作した。高周波源には,アマチュア無線用の430MHz,400Wの高周波源を用いた。この周波数の遮断密度は2.3x10^9cm^<-3>である。目標としていたこの密度の100倍には,少し届かないが,1.5x10^<11>cm^<-3>の密度をもつプラズマを実現することができた。臨界密度との比でいえば,2450MHzによる実験での30倍よりは十分に大きい。一様性については,目標の直径200mmにたいして,150mmに留まっている。一方,定常運転化については,単位直線導体の外直径を20mmとして,その内部に直径5mmの銅線6本と外直径6mmの銅パイプをガラス繊維で絶縁して挿入し,エポキシ樹脂のよって固めた間接冷却により,線電流200A,単位直線導体当り1.2kAまでの定常電流を流すことができた。その結果,430MHzに対応する共鳴磁場150Gより十分に大きい250Gの磁場を定常的に作ることが可能となった。いくつかの問題点が残っている。 密度の上限が臨界密度の100倍に届かないこと,一様なプラズマが直径150mmに留まっている事の理由と考えられるのは,直線導体と平均磁場が最小となるセパラトリックス磁気面との間隔が非常に小さく、工作精度を考慮すると,一部では接触している可能性があることである。改善を検討する必要がある。
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