研究概要 |
1.非磁化プラズマ中の2つの大強度電磁波と相対理論的電子ビームとの共鳴的相互作用による非線形ランダウ減衰が電子ビームを効率よく加速する。即ち2つの電磁波により生成せられた静電波のビ-ト波は光速にほぼ等しい電磁波の群速度の位相速度をもち、電子ビームを効率よく加速する。周波数が電子プラズマ周波数だけ隔てている3つ以上の電磁波があると、2つ以上のビ-ト波が生成せられるカスケードプロセスにより電子ビームを更に効率よく加速される。4及び10の電磁波のカスケード型非線形ランダウ減衰による電子ビーム加速の数値解析を行ないこの事を明らかにした(Phys.Plasma 3,3534-3591(1996),International Conference on Plasma Physics,Nagoya 1996,12C08,12C10)。 2.磁化プラズマ中を磁場と殆ど直角に伝播する2つの異常波の非線形ランダウ減衰(コンプトン散乱)による相対論的電子ビーム加速について数値解析に基づいて理論的に調べた。異常波の周波数が右回り遮断周波数より大きい時、及びビ-ト波の位相速度がビーム速度より大きいと加速が起こる事が分かった(Int.Conf.Plasma Phys.1996,12C07)。 3.相対論的磁化プラズマ中の非線形波-波相互作用に対する運動論的波動方程式と輸送方程式の一般的表式を導出した。この理論の適用により、宇宙プラズマや実験室プラズマ中の高エネルギー粒子加速が解明が可能となる(J.Plasma Phys.56,193-207(1996))。 4.電子ビーム・プラズマ系中の静電波の非線形ランダウ減衰による局所的電子加熱、局所的電子密度減少、大きな局所的空間電位形成について実験的理論的に調べた。非線形に励起された静電波のランダウ減衰がプラズマ電子を加速した事による輸送現象であり、核融合プラズマ中の異常輸送現象と密接に関係している事が明らかにされた(Int.Conf.Plasma Phys.1996,12C09)。
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