研究概要 |
本研究ではダストプラズマで観測されているクーロン格子の形成のメカニズムを解明し、更に引力発生機構の詳細を明らかにした。又、クーロン格子生成に関連したプラズマの物理的性質も研究した。 (1)論文(物性研究、66巻、424-425、平成8年)において負に帯電した微粒子がイオン音波を介在とした引力でクーロン格子を生成するメカニズムを明らかにした。引力発生の原因はイオンによる過剰遮蔽である。物理的には超電導でのク-パ-対発生機構と類似の現象である。更に格子間距離も理論と実験は良く合うことが判った。 (2)論文[Physica Scripta 53,89-19(1996)]でダスト音波と電磁波との非線形相互作用を調べた。特に強結合プラズマの効果が非線形モード間結合に与える効果を明らかにした。 (3)論文(日本物理学会誌、印刷中、6月号 平成9年)でダストプラズマ物理学の種々の問題点を明らかにした。特に、ダストプラズマ中の線形波動、ダストプラズマに固有な減衰機構、ダスト格子発生機構等が述べられている。これらは当該分野の将来方向への指針を与えている。 (4)論文[Plasma Physics Reports 22,834-841(1996)]ではプラズマ中の新モード間結合であるプラズマメーザー効果の総合報告が纏められた。将来の実験と理論の比較に有意義であると思われる。
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