研究課題/領域番号 |
08680511
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
岩間 尚文 富山県立大学, 工学部, 教授 (30023253)
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研究分担者 |
細田 陽介 富山県立大学, 工学部, 助手 (80264951)
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キーワード | プラズマ計測 / 像再構成法 / 計算機トモグラフィー / 硬X線望遠鏡 / 特異値分解 / QR分解 / 高速解法 / 最小GCV基準 |
研究概要 |
積分変換値から画像を再構成する逆問題型のプラズマ計測として、計算機トモグラフィー(CT)と太陽X線撮像を取り上げ、線形代数学的解法の確立と展開をテーマとして、次の情報処理研究を行った。 1.(1)悪条件線形方程式の標準解法である特異値分解法(Tikhonov-Phillips法)、および(2)計算量の少ない3回QR分解法を名大工学部小型トカマクの可視光CTデータに適用した。基底関数の様子など像合成のフーリエ式分析を行うとともに、両再構成法が実用的に同等の結果を与えることを確認した。 2.QR分解法の改良版として、新たに(3)2回QR分解法を考案するとともに、QR分解法における統計学的な像最適化の方法として初めて最小GCV基準の導入を試み、上記の可視光CTについて注目すべき良好な像再構成特性が得られた。また、2回QR分解の高速性を確認した。 3.上記の線形代数学的解法を衛星「ようこう」硬X線望遠鏡データに適用し、太陽フレアの像合成ができないことを明らかにした。その根拠を調べ、この極端な少数データ問題において、最大エントロピー法の非線形解法であるがゆえの超分解を改めてクローズアップする重要な知見が得られた。 4.級数展開法の正規方程式における数値的不安定に対して、Tikhonov正則化と最小GCV基準を導入した。投影角制限が強くSN比の低いTore SupraトカマクにおけるMHD振動の軟X線CTについて、フーリエ・ベッセル展開の高次項がより確実に同定され、画像が改善されることが明らかになった。
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