研究課題/領域番号 |
08680528
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
饒 燕飛 九州大学, 工学部, 助教授 (10243891)
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研究分担者 |
福田 研二 九州大学, 工学部, 教授 (90117234)
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キーワード | 沸騰水型原子炉(BWR) / 核・熱カップリング / 気液二相流 / 流動安定性 / 線型解析 / 実験シシューレーター / ボイド反応度 / 領域不安定 |
研究概要 |
本研究は、沸騰水型原子炉(BWR)炉心の気液二相流における核・熱カップリング条件下の炉心一体不安定および領域不安定現象を対象とし周波数領域法に基づいた解析モデルを提案して解析するとともに、その解析結果を実験により検証できるように、チャンネル内のボイド率の変化を測定しその変化に応じて加熱部の加熱量を計算機で制御できるような実験装置(実験シミュレーター)を作成して実験し、その不安定現象におけるメカニズムを解明しようとするものである。平成9年度では以下の結果が得られた。 1.BWRにおける領域不安定を研究するために、核・熱カップリングを考慮した多チャンネル線形安定性解析モデル「サブコアモデル」を提案した。チャンネル間の相互作用は、主に中性子の拡散によるものと仮定し、チャンネル内のボイド反応度が他チャンネルのボイド率に影響される係数を導入することにより、領域不安定に対する核・熱カップリングの影響を調べた。ヤコブ数一相変化数平面上に炉心一体不安定及び領域不安定に対応する二つの不安定振動モードの安定境界を見出した。さらにサブコア間の結合強さを変化させることにより、振動モードに対する影響を調べ、結合の強いサブコア同士が同位相で振動し、接合の弱いサブコア同士が逆位相で振動するモードが不安定になりやすいことを示した。 2.サブコア間の結合効果を各サブコアにおける中性子動特性方程式により表し、核・熱カップリング領域不安定現象の本来の要因である領域間の中性子拡散を直接的に考慮することにより、実際の現象により近づけた。「多点炉近似モデル」を提案した。そのモデルを用い、種々の不安定振動モードに対するサブコア間の結合効果の影響を調べ、サブコアモデルで得られ結果と比較し、両モデルによる結果がほぼ一致した定性的な傾向を示していることがわかった。
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