研究課題/領域番号 |
08680549
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
河村 哲也 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 教授 (40143383)
|
研究分担者 |
林 農 鳥取大学, 工学部, 教授 (00093063)
佐藤 浩史 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 教授 (10017197)
|
キーワード | 砂丘移動 / 植生の効果 / 数値シミュレーション / 鳥取砂丘 / 円柱まわりの流れ / 砂の輸送 / 表面摩擦 / 移動速度 |
研究概要 |
平成8,9年度の研究で、基本的には本研究で開発した計算法の妥当性が確認されたため、応用として以下の研究を行った。すなわち、実際の砂丘地帯に多く見られる典型的な砂丘形状の成因を調べる目的で、初期に卵型(細長い球形)の一部の形状をしたまるい砂丘の移動の計算を行った。今までの2次元計算の結果から高さが低い砂丘が速く移動する傾向があることがわかっていた。この結果からも予想されたことであるが、風に垂直に高さの低い部分が速く移動し、最終的には三日月型の砂丘が形成された。この形状の砂丘は、風向きがほぼ一定している場所で実際に観測されるバルパン砂丘に対応しているものと考えられる。また境界条件を種々変化させて、最終的に形成される砂丘形状に及ぼす効果を調べた。さらに、数値シミュレーションを現実の乾燥地環境問題に適用する第1歩として、鳥取砂丘上の風速場に注目して数値シミュレーションにより風速場の解析を行った。このとき地形と流れの様子との関連を詳細に調べた。そして北西の季節風が吹くとき、第2砂丘列を西側から吹き込む風が現れるなど観測と一致する結果が得られた。さらにスリバチとよばれる窪地にも特徴的な流れが存在することがわかった。このような計算を風向を変化させて何種類かを行った。 鳥取砂丘には西側には防風林があるが、その効果を調べるため植生のある場合とない場合の結果を比較検討した。その結果、防風林の東端と平行に、速度の減少が見られた。減少の大きさは東端と平行な線上でほぼ一様であるものの、防風林から離れるに従い急速に減少の大きさが小さくなった。このような速度分布は、乾燥地研究センターで測定された砂面上の砂粒子の粒径分布を説明できるものであった。
|