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平成8年度は、対象地選定、緑地面積算定、セミ抜け殻分布とチョウの分布密度・種多様度調査を実施した。
1.対象地域の選定と緑地面積の算定
大阪市中心部から10〜25kmの範囲に位置し、住宅の密集度に大きな違いがある3つの住宅地域、すなわち守口市大和田、枚方市牧野、枚方市長尾台を調査対象地として選定した。3地区内の緑地面積を、ランドサット衛星画像データのパーソナルコンピュータでの解析により算定した。各地区の緑地面積を、各地区の中心に位置する大阪国際女子大学(大和田)、関西医科大学教養部(牧野)、大阪国際大学(長尾台)を中心とする半径3kmの円内の緑地比率として表示すると、大和田7.3%、牧野14.0%、長尾台51.5%であった。
2.各地区のセミの抜け殻分布の比較
各地区の中心に位置する3大学の構内のセミの抜け殻の種構成を比較した。大和田ではアブラゼミ27.8%、クマゼミ72.2%、牧野ではアブラゼミ67.4%、クマゼミ32.5%、その他0.1%、長尾台ではアブラゼミ91.3%、クマゼミ1.8%、その他6.9%であり、都市化が進行し緑地の割合いの低い地域ほどクマゼミの比率が高かった。
3.各地区のチョウの分布密度と種多様度の比較
各地区内に約2kmのルートを設定し、チョウのトランセクト調査を5〜10月に、12ないし13回実施した。各地区のチョウの平均生息密度(頭数/km)は大和田5.31、牧野18.42、長尾台11.41であり、観察種数は大和田8、牧野15、長尾台23であった。これらのデータをもとに多様度指数(平均多様度、相対多様度、森下のβ指数、シンプソンの多様度指数)、階級存在比、EI指数を算出し、チョウの種多様度の比較を試みた。
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