研究概要 |
本年度の研究は、室内汚染物質の発生抑制、低減化を計るため、タバコ喫煙、暖房系によって汚染された室内の浄化を空気清浄装置を用いて検討した。 測定には、気積は約40m^3、平面積約14m^3のセミナー室(モデルルーム)を用いた。この室内に、窒素酸化物濃度自動測定装置、一酸化炭素・二酸化炭素濃度測定装置、P5-H型デジタル粉塵系、自記温度計、自記湿度計を設置した。暖房器具は都市ガスストーブを用い、燃焼時間は20分〜3時間とした。その際、室内の換気扇はoffにした。また、都市ガス用の調理コンロを用いて同様の実験を行った。タバコ煙による汚染は1人1本(5分間)とした。これらの実験において、(a)オゾン型脱臭装置を用いた場合、(b)ろ過型空気清浄装置を用いた場合、(c)空気清浄装置のない場合の3条件を設定し、汚染物質発生前後の汚染指標物質濃度の変化をモニターした。 結果:オゾン型脱臭装置を用いた場合、(1)NO濃度の減少速度は速やかで、NO_2濃度の減少速度は緩やかであった。(2)タバコ煙の粉塵濃度は空気清浄装置の場合と全く同じであった。ろ過型空気清浄機を用いた場合、NO_2濃度、タバコ粒子の減少速度は速やかで、NO濃度減少は緩やかであった。なお、CO,CO_2濃度は、2機種の空気清浄装置を用いても濃度変化はなかった。以上の結果より機種の違いによる汚染物質の濃度変化が違うことが判った。今後、揮発性有機物質、悪臭物質などについても調べ、適切な室内汚染物質濃度の低減に関する方式を検討することが必要と考えられる。
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