1.身近な環境の簡易測定法の検討 (1)気温・湿度の簡易測定法 住民や生徒が野外などの身近な気温の測定に用いる、安価で持ち運びが容易で精密測定が可能な温湿度測定器具(乾湿計)を、精密水銀温度計、11の牛乳紙パック空き箱および団扇を用いて作成した。 (2)大気汚染の簡易測定法について 本研究対照地域の住民が使用している大気汚染の簡易測定器具である天谷式旧カプセルのばらつきテストを行なった結果、野外ではばらつきが大きいこと、同一地点で複数個で測定して平均値を用いると、地点による傾向比較は可能であることが明らかとなった。 2.身近な環境調査の試行 住民による大気汚染、夏の気温、地下水(井戸水)の調査を試行した。その結果、測定項目が多かったり分析に時間がかかるものは、専門の研究者・学生などの支援体勢が不可欠であることが明らかとなった。また、東京学芸大学など市街地で、大気中の乾性・湿性降下物モニタリングを行ない、大気汚染物質の道路からの寄与を示唆するデータを得たので、住民が測定可能な手法について次年度に引き続き検討したい。 3.アメニティ評価の試行 調査対象地域の大公園である上野公園について、住民等による実施踏査による地点環境評価と、学生による写真を用いた評価を試行した。両者では、歴史性や騒音などに評価の差異が現われた。
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