研究概要 |
実績報告書(平成8,9年度) 1.黄色系着色料として天然品5種(カロチン、クルクミン、ベニバナ、クチナシ、紅麹)、合成品2種(黄色4号、5号)について、通常使用濃度での細胞レベルにおける影響をウサギ洗浄血小板を用いて検討した結果、in vitroにおいては、A-23187、トロンビン両刺激剤によるトロンボキサンB_2(TXB_2)産生に対する黄色4号 以外の色素による抑制は不可逆的であった。各着色料摂取実験では、合成着色料が両刺激剤に対する血小板応答を抑制した。 2.青色系着色料の天然品2種(クチナシ、スピルリナ)合成品3種(青1,2号、緑3号)は、in vitroでトロンビン刺激に対するTXB_2産生の抑制がみられ、摂取実験においては青1号、クチナシ、スピルリナが両刺激剤に対するTXB_2産生を抑制した。凝集反応では前記の3色素と緑3号において、反応の遅延が観察された。 3.茶色系着色料4種(カラメル、タマネギ、コウリャン、カカオ)については、カカオ以外の色素がin vitroで両刺激剤によるTXB_2産生を抑制し、凝集反応ではA-23187刺激に対する遅延が観察された。 4.着色料との併用事例が多く、添加物としは厳しい使用制限が設けられている保存料の天然品(ヒノキチオール)および合成品5種(デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸ブチル)について、それぞれのADIレベルの濃度で検討した結果、in vitroではトロンビン刺激に対する強いTXB_2産生抑制が観察された。この抑制作用はパラオキシ安息香酸ブチルを除き可逆的であった。摂取実験ではヒノキチオールとデヒドロ酢酸ナトリウムが両刺激剤によるTXB_2産生を抑制し、前者は凝集反応も強く抑制した。
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