研究課題/領域番号 |
08680594
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相生 啓子 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90107459)
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研究分担者 |
小松 輝久 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (60215390)
仲岡 雅裕 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90260520)
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キーワード | タチアマモ / 温帯海草 / 分布 / 生物量 / 船越湾 / 生産構造 / 葉上動物 / 環境 |
研究概要 |
船越湾および大槌湾の海草藻場の分布と面積を把握するため、タチアマモの花株の最盛期にあたる1998年6月に精密小型音響測深機による船上からの探査を行った。船越湾では、吉里吉里港内の水深3〜4mのギャップに、アマモとタチアマモがモザイク状に群落を形成している。精密小型音響測深機の映像により、船越湾の港内のアマモおよびタチアマモ群落の分布状況を判別すると、アマモの花株が枯れた後、タチアマモの花株については識別ができるが、両種の栄養株の判別が不可能である。そのため、東西方向に設置したトランセクト・ラインに添って、ライン上の海草の出現状況についての詳細なセンサスを行った。このライン上の海草分布に関する調査を定期的に行うことにより、海草群落の盛衰の状況が把握できる。1998年9月〜10月におこなった調査結果から、アマモおよびタチアマモの分布と、海底のギャップ(凹凸)との関係は明確ではない。砂泥底の底質が安定していることが重要であり、草高は潮位によって決められることが示唆された。 有線式光量子計により、光条件の測定をおこなった。水深に沿った光量子の分布プロファイルから、港外のタチアマモ群落の水深16m付近の光条件が、分布の限界の要因になっていることが示唆された。天候の具合により、沖からのうねりが高かったりして、特に夏期における満足な測定結果が得られなかった。年間を通じての光量子の観測は今後も継続する予定である。船越湾における海草(アマモおよびタチアマモ)群落にとっての立地条件は、周年を通じての寒冷な海水温、海水の交換が良く透明度が高く、緩く傾斜した斜面のような海底地形によるものであると考えられる。
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