1.秋季の東京湾青潮発生時(終息直前)に船橋港付近の赤潮域と港内の青潮域で調査を実施した。 赤潮域表層の酸素は過飽和で、底層は貧酸素であった。青潮域は全層で貧酸素であった。濁度は、赤潮域では全層一様であったが、青潮域の表層は赤潮域の約10倍、底層は約1/100であった。光合成硫黄細菌の影響は見られなかった。 2.秋季の福井県水月湖の湖心部では、5から10m深にかけて密度躍層があり、底層は無酸素であった。ここでも光合成硫黄細菌の影響は見られなかった。 3.秋季の静岡県浜名湖の湖心部では、4から8m深にかけて酸素躍層があり、底層は無酸素であった。クロロフィルaの極大は4m層に、光合成硫黄細菌によると考えられるバクテリオクロロフィルの極大が7-9m深に見られた。また同層で濁度の極大も見られた。 4.水月湖の各層の水を空気に曝すと、無酸素層のは浅い方から白濁が始まり、深い層のは白濁化が遅れた。また深い層のは黄色化した。1-2日後、何れも再び無色透明になった。硫化物濃度は深くなるに連れて増加するが、最深層で7mM程度であった。白濁は、青潮の原因物質によるものと考えられるが、硫化物濃度と酸素供給速度とのバランスが関係するように思われた。
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