本年は、エンドユ-ズ型のエネルギー消費・ガス排出モデルの開発を行った。一国のエネルギー転換・消費部門を産業、民生、業務、運輸及びエネルギー転換の5部門分けし、各部門に属するエネルギー関連技術の詳細なデータベースを基本支援情報として作成した。そして外生的に与えられたエネルギーサービス量をあらかじめ与えられた選択基準に沿って最適に供給すべく、エネルギー関連技術の選択と配置を行っている。現在のところ、エネルギー関技術種としては200種程度、選択基準としては固定費用及びエネルギー・維持費用を総合した現在価格の最小化を採用した。この最適計算は線形計画法(シンプレックス法)を用いているが、エネルギーフローのサイクリング、エネルギー関連技術のコ-ホ-ト的取り扱いなどにも配慮しているため、未知変量数としては5000程度にもなっている。さらに、国内ガス排出総量を最小にするような選択的補助金配分算定を付加した計算も行っている。この場合は多段階最適化を行わなければならず、計算労力は多大のものとなった。さらに、このプログラムでは、CO2とSO2などの複数種のガス排出とそれに応じた排出削減技術種選択アルゴリズムを付加したものを開発した。また、対象国として中国をとあげ、詳細なエネルギー消費データの集積とそれに伴う大気汚染物質排出量の推定システムを作成した。
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