• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

環境政策が国際競争力に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08680612
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

藤倉 良  九州大学, 工学部, 助教授 (10274482)

キーワード環境装置 / 公害防止費用 / 排煙脱硫装置 / 電力 / 中国 / アジア
研究概要

平成8年度は,日本の民需向け環境装置の生産額をレビューし,国内での環境装置の総費用を推計した。次に,中国やアジア各国の環境対策に必要な環境コストの試算を試みた。
1970年から1995年までの日本国内の民需部門の各セクター向けの環境装置の生産額を累積総額は,8兆7,800億円となる。セクター別では電力セクターが最大で,2兆2200億円余,続いて,鉄鋼業が1兆2200億円強,石油石炭の1兆円弱となった。環境装置生産額を対策分野でみると,大気汚染対策に5兆4,200億円(61.7%),水質汚濁対策に2兆7,600億円(31.4%)と,大気汚染対策の占める比重が大きい。大気汚染対策では,電力セクターが34.9%の高いシェアを占めている。水質汚濁対策では,機械と食品のシェアが大きい。
民需で大きなシェアを占める電力セクターの大気汚染対策について,さらに内訳をみると,排煙脱硫装置が9,490億円と50,2%を占めている。続いて集塵装置が3,360億円(17.8%),排煙脱硝装置が,3,130億円(16.6%)となっている。1980年代以降の排煙脱硫装置及び排煙脱硝装置の生産額の伸びは,殆ど電力セクターによるものである。
次に,日本で広く用いいられている石こう副生の排煙脱硫装置を,同地域に設置した場合の装置のコストを試算した。総建設コストは1兆円弱となり中国のGNPの1.7%に相当する。また,減価償却費を加えた運転コストは,1,460億円となり,これをkWHあたりの単価にすると0.49円となる。同様の試算を他のアジア諸国の全火力発電所に当てはめると,いずれの場合でも各国のGDPの0.4%以上の建設コストが必要となる。また,中国について,水質汚濁対策に必要な環境装置の費用を試算したところ,総額は6兆7,100億円となりGNPの12%に相当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 藤倉良・松本亨・井村秀文: "環境対策費用に関する日本の経験とアジア諸国の資金需要見通し" 土木学会第4回地球環境シンポジウム講演集. 241-246 (1996)

  • [文献書誌] 藤倉良・井村秀文: "日本の環境対策費用とアジア諸国の資金需要見通し" 環境経済・政策学会1996年大会報告要旨集. 220-223 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi