A:衛星データの画像化 次のサンゴ礁地域に関して衛星データを処理し、サンゴ礁とそれを取りまく陸域の現況を画像化した。 (1)琉球列島全域(LANDSAT:全域、MOS、SPOT:一部) (2)フィリピンの主要地域(MOS) (3)マレーシア全域(MOS) (4)アンダマン諸島全域(MOS) この結果、従来は地図や海図による情報しか得られなかった地域で、新しい視点から広範な地域のサンゴ礁の比較が可能になった。 B:衛星データによるサンゴ礁の被覆分類 10年間にわたり現地調査を続けている石垣島白保地域の衛星データを使って、数時期の被覆部類図を作成した。現存の衛星データでは空間・波長分解能が不足し、海域では満足な成果は得られなかった。サンゴ礁の生物群集のマッピングは、どの程度の精度で妥協するかということで衛星データを使えるかどうかが決まる。数十mの精度なら現段階の衛星データで、代表的なサンゴ礁地域の図化は可能である。環境監査、経時変化の抽出でも、同程度の空間的規模で可能になる。 C:サンゴ礁を衛星リモートセンシングにおける分類項目 衛星データから、サンゴ礁浅海域を区分する際の現実的な区分・凡例の設定は次のようになる。 1:海岸林、2:海浜、(干潟)、3:アマモ藻場、4:砂床、5:生エダサンゴ帯(分布域)、6:死サンゴ帯(分布域)、7:生/死サンゴ(エダその他)・海藻・海草・ソフトコーラル混在域、8:褐藻(ホンダワラ)帯(分布域)、9:礁岩(礁嶺部分に相当する)分布域、10:未分類 D:サンゴ礁構成物の分光反射特性の比較 白保地域の海域と陸域で、分光反射率の測定を実施した。海域の物質については、分光反射から判別するのは難しいという結論を得た。 E:カラー空中写真のデジタルモザイク画像 白保地域の数時期の空中写真から、デジタルモザイク画像を作成した。土地改良事業の進行に伴って、浅海域で海草・海藻の占める面積が急速に拡大してゆく状況が認められた
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