ペルオキシソーム蛋白質の局在化を分子レベルで解析するために私達は試験管内インポート系を利用して次のような成果を得ることが出来た。 1.新規に移行したウリカーゼはペルオキシソーム内で速やかにコア(結晶)構造を取ることを明らかにした。 2.アシルCoAオキシダーゼ、ウリカーゼ等、PTS-1の局在化シグナルの近傍に見られるプロリン残基の重要性について検討した。 3.ペルオキシソーム蛋白質、本研究ではアシル-CoAオキシダーゼとウリカーゼに関してペルオキシソーム局在化に関与するエネルギー源はATPであることを示し、さらにATP以外のヌクレオチド3ーリン酸にも同様の効果があることを示した。 4.ミトコンドリア蛋白質の局在化に重要な役割を担っていることが知られている分子シャーペロン、MSF、HSC70のペルオキシソーム蛋白質局在化に関与する可能性を検討した結果、これらの分子シャペロンはペルオキシソーム蛋白質局在化に関与していないことを示し、サイトソ-ルにまだ同定ていされていない他の因子が存在することを明らかにした。 5.ラット肝セリンアミノ転移酵素の試験管内インポート系を確立し、本酵素はペルオキシソームへ移行する際に非常に大きなコンフォメーション変化を受けることを示した。
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