研究課題/領域番号 |
08680720
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 直哉 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50222063)
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研究分担者 |
飯田 荘象 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80022664)
木島 博正 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30012397)
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キーワード | シナプス / カルシウムイオン / カルシウム感受性蛍光色素 / 可塑性 / 共焦点顕微鏡 / シナプス前末端 / 神経筋接合部 |
研究概要 |
1.シナプス前末端内Ca^<2+>動態 種々のCa^<2+>感受性蛍光色素をカエル及びイセエビの神経筋シナプス前末端に負荷して末端内Ca^<2+>動態の測定を行った。カエルの場合、100Hz刺激では20発程度の刺激後はCa^<2+>流入と排出/取り込みがほぼバランスして末端内Ca^<2+>濃度がプラトーに達すること、刺激終了後は50msec程度の速い時定数でCa^<2+>濃度が減少してゆき大部分のCa^<2+>が0.2秒以内に排出/取り込みされることなどから、速くて大容量のCa^<2+>除去機構が存在することがわかった(論文投稿中)。そして、この機構としてはミトコンドリアへの取り込みが有力であることを明かにした(97年の神経科学学会にて報告)。イセエビの場合は、末端内Ca^<2+>濃度が高いときには遊離Ca^<2+>濃度の2乗に比例するCa^<2+>除去機構が働き出すことがわかった(論文投稿中)。 2.Ca^<2+>ホットスポットの可視化 カエル神経筋シナプス前末端において2ミリ秒の時間分解能での高速のCa^<2+>イメージングに成功している。現段階ではまだホットスポットの可視化には至っていないが、神経刺激後Ca^<2+>濃度がピークに達するまでの過渡的な時間中には、空間的にヘテロなCa^<2+>濃度分布が存在することがわかった(97年の生物物理学会にて報告)。 3.短期可塑性と前末端内Ca^<2+>との関係 数百ミリ秒以下の時定数を持つ短期可塑性(促通)と前末端内Ca^<2+>動態との関連については、Ca^<2+>の結合・解離の速度定数が2桁異なるBAPTAとEGTAとをそれぞれ前末端内に負荷した時の、Ca^<2+>動態と電気生理学的測定から見た促通の変化の仕方(BAPTAは速い促通に対して、EGTAは遅い促通に対してより大きな減少効果を持つ)とがよく一致するという結果を出すことにより、促通には前末端内Ca^<2+>が直接的に反映していることを示した(97年の生理学会にて報告)。
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