研究概要 |
ニワトリ胚神経細胞のアポトシス誘導に関する新たな知見 1、アポトシス時に誘導される遺伝子以外に、転写が抑制される遺伝子3種を発見した。いずれも既知遺伝子との相同性をもたないので新規遺伝子であると考えられる。2、アポトシス誘導した細胞中のリボゾームをショ糖密度勾配遠心法により調べたところ40S、60S亜粒子共に健常な細胞には見られない、沈降係数のより高い構造をとっていることが分かった。今後は、この構造変化を分子レベルで解析する予定であ。 T4ファージ遺伝子61.5変異体のmRNA不安定化に関する新たな知見 1、細胞抽出液中のRNaseM活性を調べたところ、遺伝子61.5変異の有無による差異は検出できなかった。2、遺伝子61.5変異体の増殖を許すサプレッサー変異の分離を行い、T4ファージ側では異なる2種類の変異を、宿主側ではumuCとD遺伝子の変異を同定した。3、精製した遺伝子61.5タンパクは自己親和性をもつこと、さらに異なる3種タンパクと親和性をもつことを見い出した。 翻訳阻害剤で誘導される酵母遺伝子発現系構築に関する新たな知見 1、シクロヘキシミド投与によって転写誘導されると考えられる新規遺伝子を新たに4種発見した。 2、HSP遺伝子4種類(SSA1,SSA3;細胞質、SSC1,HSP60;ミトコンドリア)のプロモーター領域にレポーターLacZを結合した融合遺伝子を酵母に導入したところ、シクロヘキシミド投与によって全ての誘導遺伝子の発現が認められた。また、クロラムフェニコール投与によって、SSA3-LacZを除く3種類の発現が誘導された。SSC1およびHSP60にはheat shock element(HSE)は見出されていないことから、これらの誘導はHSEを介さない機構により起こったと考えられる。今後、誘導に必要なシス領域を同定する予定である。
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