• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

細胞周期制御におけるサイクリン調節因子とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 08680770
研究機関九州大学

研究代表者

小林 英紀  九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20150394)

キーワード細胞周期 / サイクリン / CDK / 染色体 / スピンドル / 出芽酵母
研究概要

細胞周期M期進行に伴い、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)が活性化され、染色体の凝縮、分離、分配が起こる。M期サイクリンはCDKの調節サブユニットとして細胞周期のM期進行を制御する蛋白質因子である。本研究では、M期サイクリンの生理機能をサイクリンの機能ドメインと関連づけて解析することを目的とした。
脊椎動物のM期サイクリンを出芽酵母の発現ベクターにつないで酵母細胞で発現させて、サイクリン-CDK複合体の活性レベルを変動させることで生育阻止を引き起こし、細胞周期進行に与える影響を細胞レベルと分子レベルで解析した。サイクリンAを酵母染色体に組み込んでで発現させると酵母の細胞周期が停止し、母娘両細胞に均等に分配されるはずの染色体が、娘細胞に引っ張りこまれた。この現象は発現サイクリン-Cdc28の複合体に依存したキナーゼ活性により誘導された。出芽酵母の内在性サイクリンの発現により誘導される染色体挙動を調べた結果、M期サイクリンClb3の過剰発現により娘細胞への核移動と核分裂阻害を引き起こすが、G1サイクリンやClb2では起こらないことがわかった。複製した紡錘体極と紡錘体が核の位置に対応して娘細胞側に局在し、伸張した後期紡錘体はみられなかた。Clb3依存性キナーゼがサイクリンAと同様に、スピンドル機能を介してM期での核の挙動に関与することが示唆される。
また、細胞周期停止を抑圧する出芽酵母サプレッサー変異の分離や酵母2-ハイブリッド法により、サイクリンと相互作用する結合因子を同定とその解析を行った結果、CDC28の新規の変異、DEAD1、YDJ1、ユビキチン類似配列を示す新規遺伝子が分離同定された。
これら因子の機能解析を通して、サイクリン依存性キナーゼ活性が、スピンドル機能とどのように関連しているかを分子レベルで明らかにすることが、今後の課題である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Kobayashi: "The cell cycle and the tumor suppressor genes." Jpn.J.Clin.Pathol.44. 3-11 (1996)

  • [文献書誌] S.Miyake: "Identification of two Xenopus laevis genes,xMCM2 and xCDC46,with sequence homology to MCM genes involved in DNA replication." Gene. 175. 71-75 (1996)

  • [文献書誌] 小林 英紀: "細胞周期の進行調節とサイクリン-Cdk複合体" 蛋白質核酸酵素. 41. 1799-1806 (1996)

  • [文献書誌] 小林英紀: "サイクリン/サイクリン依存性キナーゼ" 医学のあゆみ. 181. 749-749 (1997)

  • [文献書誌] M.Funakoshi: "Xenopus cyclin Al can associate with Cdc28 in budding yeast,causing cell-cycle arrest with an abnormal distribution of nuclear DNA." Genes to Cells. 2. 329-343 (1997)

  • [文献書誌] H.Sikder: "An altered nuclear migration into the daughter bud is induced by the cyclin Almediated Cdc28 kinase through an aberrant spindle movement in Saccharomyces cerevisia" Cell Struct.Funct.22. 465-476 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi