研究課題/領域番号 |
08680797
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
惣川 まりな 大阪市立大学, 理学部, 教授 (60047199)
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研究分担者 |
金子 洋之 大阪市立大学, 理学部, 講師 (20169577)
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キーワード | イトマキヒトデ / 形態形成 / 細胞外マトリックス繊維状成分 / 糖結合分子 / 間充織細胞 / 膜結合分子 / 再構築系 / 体腔のう形成 |
研究概要 |
イトマキヒトデ胚の形態形成における間充織細胞(MCs)と繊維状細胞外マトリックス(FC)の相互作用をモノクローナル抗体を用いて研究し、以下の結果を得た。(1)原腸胚期において、FCはMCsの移動、後部外胚葉域の絞り込み、内胚葉シート移動の足場として機能する胚の内骨格である。(2)原腸胚後期の口形成過程では、MCsはFCを凝集させ、予定口陥域の陥入に寄与する。また、MCsは異常な分布状態になったFCを修復する。(3)ビピンアリア幼生期には、MCsは外胚葉直下でネットワーク状に分布し、幼生の防御機能をも担当するようになる。 (4)MCsとFCの相互作用は、胚を個々の細胞にまで解離した後、正常な形態の幼生へ再構築させる系での体腔嚢形成にも関与している。以上の結果から、MCsとFCはその相互作用を介して、発生後期過程の形態形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 また、FCとMCを分子レベルでの解析する試みにおいて、以下のことが判明しつつある。 (1)FCの構成分子のひとつは、糖を含んだ300KDaの分子であり、他の細胞外マトリックス成分と強く結合している。(2)MCsには、原形質膜、細胞質内小器官に局在する分子量73KDaの分子が特異的に存在している。これらの分子を足掛りとして、MCsとFCの相互作用で進行する形態形成の本質を分子レベルで解明することができる可能性を手に入れた。
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