研究課題/領域番号 |
08680810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 泰尚 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (70025625)
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研究分担者 |
和泉 正英 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70262186)
佐藤 二美 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60205961)
大竹 一嘉 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10168966)
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キーワード | 視床 / VL / VA / PVT / 小脳 / 脚内核 / 視床網様核 / 電顕的三次元再構築 |
研究概要 |
ネコとラットを用いて実験を行い、体性機能系の視床の運動核として外側腹側核(VL)と、前腹側核(VA)を、感覚核として内側膝状体核を、内臓機能系と核として視床室傍核(PVT)を観察対象とした。 VLニューロンの細胞内にHRPを注入して標識し、連続切片観察の結果、小脳由来と考えられる軸索終末(CLR)は一次と二次樹状突起に集中的に大脳皮質由来と考えられる終末(SR)の大部分は三次より遠位の樹状突起にシナプスしていた。視床内介在ニューロンのシナプス前樹状突起(PSD)と起始のはっきりしない多形性小胞をもつ終末(P)は樹状突起のいろいろの部位と、細胞体にもシナプスしていた。ここまでの結果をまとめてJ.Comp.Neurol.に投稿中である。また上記のうちCLRを中心に置いて、これとVLの皮質への投射ニューロン(TCN)、PSDの相互関係を三次元的復構を用いて詳しく解析し、J.Comp.Neurol.に発表した。P終末の中には視床網様核(TRN)由来の終末が含まれると考えられる。VLでこれを標識して観察すると、triadを含む回路とは独立して働いていることが分かった。 VAの観察のために脚内核と皮質6野にWGA-HRPを注入した。脚内核由来の終末(ELR)は細胞体と一次樹状突起、および次元のはっきりしない太い樹状突起に多くシナプスしていた。VLにおけるCLRと同じように、ELRはVAのTCN樹状突起とPSDのあいだでtriadをつくることもあった。CLRは興奮性であるが、ELRは抑制性の入力であるので、PSDはTCNに対して脱抑制的に働くことが考えられた。 PVTについては、PVTニューロンが大脳皮質と側坐核の両者に側枝を出すこと、孤束核からの投射が非対称性のシナプスを樹状突起に作ることなどを明らかにして、その一部をまとめてJ.Comp.Neurol.に投稿している。
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