研究課題/領域番号 |
08680823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
外崎 敬和 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50155545)
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研究分担者 |
杉浦 康夫 名古屋大学, 医学部, 教授 (50093042)
尾崎 紀之 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40244371)
本多 たかし 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20165608)
西山 慶治 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (10106354)
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キーワード | インターロイキン-1β / α-MSH / Fos / 知覚過敏 / ホットプレートテスト / 視床下部室傍核 / ラット / 脳室内投与 |
研究概要 |
Interleukin-1β (IL-1β)を中枢性に作用させると視床下部室傍核(PVN)にFos蛋白が発現する。しかし、非発熱性に知覚過敏をおこす低濃度のIL-1βがFosを発現するかどうかについては報告されていない。そこで本研究では雄性ラットの脳室内(icv)へIL-1β・α-MSHを投与し、(1)IL-1β投与量変化によるPVNでのFos発現・ホットプレートテストによる知覚応答について検討した。更に(2)α-MSHがIL-1βの反応を修飾するか否かを調べた。 その結果、(1)種々の量のIL-1β(10pg、1ng、100ng/icv)を脳室内へ投与するといずれも90分後にPVNでFosが発現した。発現数はdose dependentに増加せず、10pg/icvで発現数が最も多かった(10pg>1ng>100ng>0pg/icv)。ホットプレートテストによる知覚応答は10pg/icvで応答時間の短縮が観察されたが100ng/icvでは変化がなかった。(2)α-MSH(30ng/icv)をIL-1β投与に先立ち脳室内へ前投与するとIL-1β10pg/icvでのFos発現と知覚応答時間の短縮が抑制された。 以上のことから、知覚過敏を示す量の中枢性IL-1β投与がPVNに多くのFos発現を誘導し、α-MSHがこのFos発現と知覚過敏を抑制することが明らかになった。このことより、IL-1βによる知覚過敏がPVNでのFos発現と関連する可能性が示唆された。 今後は末梢性投与でのIL-1βとα-MSHとの関わりについて調べ、更に下垂体中葉・脳内の内因性α-MSHがIL-1βの作用に関係するかを検討する。
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