研究課題/領域番号 |
08680845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
天谷 吉宏 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50193032)
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研究分担者 |
中井 俊樹 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20270712)
三浦 恵 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (60157427)
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キーワード | Notchシグナル / プレセニリン / アルツハイマー病 |
研究概要 |
S182(プレセニリン1)とSTM2(プレセニリン2)は家族性アルツハイマー病に連鎖する遺伝子である。線虫では、プレセリニンと神経細胞などの分化を司るNotchの間に遺伝学的相互作用があることが知られている。本研究では、Notchシグナル伝達経路とアルツハイマー病発症の関連の有無を解明するとともに、Notchシグナル伝達機構の制御におけるプレセニリンの役割を明らかにすることを目的とする。本年度は以下の実験を行い、本研究を推進する基盤を構築した。 Notchシグナル伝達因子とアルツハイマー病の解析に必要な抗体の作成 Notchシグナル伝達経路とアルツハイマー病の発症の関連を解析するために、 1)Notch蛋白質の細胞質部分に存在する各機能ドメイン(核移行シグナル、アンキリン、PEST配列)の融合蛋白質 2)プレセニリンの膜から露出した部分(N-末端、ループ部分、C-末端)の融合蛋白質 を大腸菌で大量発現、精製するとともに、抗体を調製した。 プレセニリンの膜配向性解析 in vitro転写、翻訳系とイヌ膵臓ミクロソームを用いた再構成系を用いてプレセニリンの膜配向性を明らかにした。現在、投稿準備中である。 Notch蛋白質とプレセニリンの相互作用解析 1)two-hybrid法による解析 酵母細胞を用いたtwo-hybrid法により、Notch蛋白質の細胞質部分に存在する各機能ドメインと、プレセニリンの膜から露出した部分の相互作用を解析して予備的知見を得た。 2)生化学的解析 上記の融合蛋白質のうちの一部は、可溶性画分に回収され、生化学的解析に使用できることが明らかになった。今後、in vitro系による相互作用解析系の構築、バイオセンサーによる相互作用解析、制御因子の検索が可能になった。 培養細胞を用いた解析系の構築 培養細胞にNotch蛋白質の細胞質領域を発現させて、シグナル伝達に伴うプロセシングを詳細に解析している。また、この発現系を発展させて、ルシフェラーゼの活性を指標としてNotchシグナル伝達系の活性化を定量するシステムを作成する。この系を用いてNotchシグナル伝達におけるプレセニリンの役割を定量的に解析する。システム構築に必要な遺伝子の単離を行った。
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