研究課題/領域番号 |
08680853
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
大迫 俊二 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経細胞生物学研究部門, 主事研究員 (50152103)
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研究分担者 |
高松 芳樹 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経細胞生物学研究部門, 主事研究員 (50250204)
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キーワード | 神経発生 / ヘリックス・ループ・へリックス / 転写 / リプレッサー / コリプレッサー / アクティベータ- / WRPWモティーフ / ショウジョウバエ |
研究概要 |
神経発生の分子メカニズムを明らかにすべく、へリックス・ループ・へリックス転写因子Hairyによる異所性の神経発生の抑制機構について研究を進めた。培養細胞系を用いて既に明らかにしたHairy bHLG関連タンパクの転写抑制ドメイン、WRPWモティーフとGroucho転写抑制ドメイン、Groucho 1-264のin vivoにおける機能を明らかにするために、神経発生のモデル系として用いられているショウジョウバエの感覚器官形成における抑制作用を調べた。Hairy特異的結合部位をGa14結合部位に置き換えたAchaeteミニ遺伝子を、P因子を利用してAchaete遺伝子を持たないショウジョウバエに導入した。この中にはHairy変異体と同様にハネのL2veinに感覚毛を持つラインが得られたので、これを機能的レポーターとして用いた。一方、エフェクターとして、熱ショックプロモーター下流にGal4-DNA結合ドメイン(DBD)のみ、Gal4-DBD-WRPWあるいはGal4-DBD-Groucho 1-264融合タンパクを繋いだコンストラクトを導入したトランスジェニックフライを作製した。交配によって機能的レポーターとエフェクター両方を持つトランスジェニックフライをつくり、蛹化後(通常は25°C)36°C5分の熱ショック処理を行い、羽化後ハネのL2 veinの感覚毛の有無を観察した。HS-Gal4DBD-WRPWおよびGal4-DBD-Groucho 1-264トランスジェニックフライにおいては、熱ショック処理をする時間に依存してL2veinの感覚毛が消失したが、HS-Gal4DBDトランスジェニックフライには効果が見られなかった。このように、WRPWモティーフとGroucho 1-264は培養細胞系だけでなく、in vivoの感覚器官形成においても転写抑制ドメインとして十分に機能できることが明らかになった。
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