研究課題/領域番号 |
08680867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小澤 一史 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60169290)
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研究分担者 |
西 真弓 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40295639)
森田 規之 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50239662)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | グルココルチコイド / グルココルチコイド受容体 / 免疫組織化学 / in situ hybridization / 免疫電子顕微鏡 / 脳 / 下垂体 / ラット |
研究概要 |
ラット脳における、グルココルチコイド受容体(GR)の免疫反応は大脳皮質(2、3、6層)、海馬(錐体細胞CA1,CA2領域、果粒細胞)、視床下部(室傍核小細胞領域、弓状核、室周囲核、内側視束前野、腹内側核)、視床(外側核、内側および外側膝状体)、扁桃体(内側核、中心核)等に強く認められた。免疫電子顕微鏡的には、これらの陽性反応は、主として細胞核に認められたが、細胞質、特に粗面小胞体やゴルジ装置周辺にも若干認められ、GRの発現を考えるうえで興味深い結果が得られた。in situハイブリダイゼーションの結果はほぼ免疫組織化学の結果を反映していた。海馬においては副腎摘出による海馬顆粒細胞の細胞死が認められ、神経細胞の細胞死とグルココルチコイドおよびその受容体蛋白の関連性が強く示唆された。 通常、GRは主として細胞の核の染色質に集積するようにその免疫反応を示し、細胞質中にはごくわずかの反応しか認められなかった。副腎摘出後2日間でこれらの免疫反応はほとんど消失し、その後のデキサメザゾン投与によって約30分間後に、もとの正常状態と同様に核にGRが集積する像に戻ることが確認された。この間、デキサメサゾン投与後、10〜15分においてGRの免疫反応が細胞質に各細胞小器官と関連するかのように認められたが、特定の細胞小器官と特別に結合していなかった。 GRは脳の視床下部と深い関係を持つ下垂体においてはin situ hybridizationによって、下垂体前葉、中間部、後葉にGRのmRNAが発現することが明らかとなり、免疫組織化学的には成長ホルモン(GH)産生細胞、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生細胞、甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生細胞とS100蛋白含有細胞がGRと共存していることが明らかとなった。これは、下垂体でもホルモン産生細胞を中心にグルココルチコイドによる何らかの細胞機能発現の制御を受けていることを示唆し、生体調節機構を考える上で興味深い知見が得られた。
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