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1996 年度 実績報告書

視床下部ヒスタミンニューロンによる自律神経調節

研究課題

研究課題/領域番号 08680894
研究種目

基盤研究(C)

研究機関昭和大学

研究代表者

本間 生夫  昭和大学, 医学部, 教授 (20057079)

研究分担者 金丸 みつ子  昭和大学, 医学部, 助手 (40255716)
岩瀬 みち子  昭和大学, 医学部, 助手 (80119164)
キーワード中枢ヒスタミンニューロン / 呼吸機能 / 後部視床下部 / 結節乳頭核 / 頚部交感神経 / 延髄吻側腹外側部 / 気管張力
研究概要

中枢ヒスタミンニューロンは,体温調節,睡眠一覚醒リズム,自律神経機能等と関っている.またその細胞体は,後部視床下部結節乳頭核に局在し全脳に投射する特徴的な分布をしている.今年度は,このヒスタミンニューロンが呼吸機能に果たす役割を気道収縮,呼吸調節に注目して生理学的,形態学的に検討した.
生理学的実験では,麻酔ウサギを用い呼吸運動,血圧,気管内圧をモニターしながら後部視床下部,結節乳頭核を電気刺激した.呼吸促進,血圧上昇,気管拡張が観察された.この気管拡張は,第四脳室内に投与されたH1リセプター桔拮薬ピリラミンにより抑制されたが,H2リセプター拮抗薬シメチジンによっては影響を受けなかった.又,気管を支配する頚部交感神経活動を記録し後部視床下部刺激パルスとのcorrelogramを調べたところ150-200msecにモードを示し両者の間に相関のあることが示唆された.後部視床下部から交感神経の前運動核である延髄吻側腹外側部(RVL)への神経連絡を調べるために順行性軸索トレーサーであるPHA-Lを後部視床下部に注入し,約10日後に潅流固定し組織科学的に検索を行った.又tyrosine hydroxylase抗体を用いた免疫組織化学法を組み合わせRVLのカテコールアミン含有ニューロンとの関連を調べた.その結果,後部視床下部結節乳頭核からRVLのカテコールアミン含有ニューロンへの軸索投射が確認された.RVLにマイクロダイアリシスプローブを挿入して人工脳脊髄液を潅流し,回収した細胞外液中の遊離ヒスタミン量を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定したところ後部視床下部の電気刺激によって遊離ヒスタミン量が有意に増加することが確認された.
以上のことから後部視床下部結節乳頭核のヒスタミンニューロンは、交感神経前運動核であるRVLに投射し頚部交感神経を介して気管張力の調節に関与していることが解明された.

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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