研究課題/領域番号 |
08680903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
八神 健一 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (40166476)
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研究分担者 |
杉山 芳宏 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (10187685)
杉山 文博 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90226481)
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キーワード | パルボウイルス / NS / トランスジェニックマウス / 病原性 |
研究概要 |
げっ歯類パルボウイルスの非構造蛋白(NS)の機能を解析することを目的として、以下の研究を実施した。 1.遺伝子導入用コンストラクトの作製と細胞レベルでの発現の検討 MMTVのLTRを制御領域とし、これにminute virus of mice (MVM)のNS1/2構造遺伝子を連接した融合遺伝子を作製し、NIH3T3細胞へリポフェクション法にて遺伝子導入を行い、得られた細胞をdexamethasone添加培地で培養することによりNSの過剰発現を図った。しかし、導入直後からのNSの微弱な発現が細胞毒性を示し、結果的に安定な導入細胞が得られず、このコンストラクトでのNSの発現調節が不十分であることが判明した。 2.tetracycline repressor/operator systemを利用した発現調節の検討 次に、NSの発現調節をより厳密に行うため、tetracycline発現制御システムを利用し、tetracycline存在下でのみNSが発現するような導入遺伝子を構築した。このコンストラクトの細胞でのNSの発現制御、遺伝子導入マウスの作製を実施中である。 3.実験感染個体におけるNSの免疫組織学的検討 パルボウイルス感染における胎児や胚への影響、変異ウイルス株の感染におけるウイルス増殖部位、NSの発現部位を明らかにするため、免疫組織染色を行い、胎生中期の器官形成を一部阻害すること、NSの発現、ウイルスDNAの複製が抑制された変異株の存在が明らかにされた。また、ある種の培養細胞では、NSの発現に伴い、apoptosisが生じることが示唆された。 今後、tetracycline発現制御下でNSを過剰発現する遺伝子導入マウスの作製を行うと共に、NS発現時のapoptosis誘導を関連遺伝子のRT-PCRで解析する予定である。
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