実験動物としてのミニブタの特性および有用性を調べる目的で末梢血について形態学的に調べたところ、大型動物であるにもかかわらず、血球数、血球形態ともにラットに類似していることが分かった(8年度)。本年度は、末梢血球の酵素活性値および骨髄細胞の形態学を調べ、それぞれについてマウス、ラット、イヌおよびサルの値と比較した。 (1)末梢白血球の酵素活性値:好中球のペルオキシダーゼ活性値は44.4mU/10^6cellで上記の動物種に比べて高かったが、好酸球のエステラーゼ活性値は1.3mU/10^6cellで低値であった。酸性フォスファターゼ活性値には動物種間に差はなかった。 (2)骨髄細胞数および形態:骨髄細胞数73X10^4/μlで、マウス、ラットおよびイヌに比べて少なく、サルに類似していた。細胞構成比率は、赤芽球44.3%、顆粒球40.0%、リンパ球12.8%で、細胞数同様サルに類似する成績であった。骨髄細胞サイズは、赤芽球系、顆粒球系ともにラットに類似する値であった。 以上、ミニブタの血球サイズはラットに、骨髄細胞形態はサルに類似していること、白血球酵素活性には他の動物には見られない特徴があることが分かった。
|