実験動物としてのミニブタの特性および有用性を調べる目的で末梢血および骨髄について形態的に調べたところ、血球数、血球形態ともに小動物のラットに類似していること、骨髄は胸骨からの採取が容易であること、細胞構成比はサルに類似すること、好酸球のエステラーゼ活性が低値であること等が判明した(平成8・9年度)。本年度は骨髄細胞を形態学的に精査した。 骨髄細胞については、顆粒球系細胞のサイズはいずれもラットに類似していたが、好中球の核分節の形態はイヌと似ていた。好酸球の顆粒は非常に豊富でラットと同等であった。この形態と酵素活性との関連性については、好中球では酵素活性は高いが染色性は低く、好酸球は逆に酵素活性は低いが染色性が強いことが分かった。赤芽球、リンパ球等は、サイズ、色調、核形共にリンパ球は他の実験動物と差異は見られなかった。ハウエルジョリー小体が末梢血および骨髄で観察され、この所見はマウスに類似するものであった。赤血球の寿命は約90日で、赤血球が小さいものの寿命が比較的長いことが分かった。 以上、これまでの成果をまとめると、1)血液は耳静脈および頸静脈から、骨髄は胸骨からの採取が容易であること、2)ミニブタは血球の数、形態、生化学的側面においてさまざまな特徴を有する動物であることが判明した。
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