腸管神経節欠損ラットの肺より調製したRNAについて、エンドセリンタイプBレセプター(EDNRB)遺伝子cDNAをプローブとし、Northern blot解析を行ったところ、このラットにおいてこの遺伝子の発現が著明に減少していることを見い出した。更にEDNRBのmRNAについて、RT-PCR法により解析したところ、このラットにおいては2種類の異常なサイズのEDNRB mRNAが発現されていることが明らかになった。この配列をEDNRBゲノム遺伝子の配列と比べた結果、一つは第2エクソンの翻訳開始コドンから数えて第20番ヌクレオチドから第2エクソンの終わり(第483番ヌクレオチド)までの458bpが欠失したもの、もう一つは第2エクソンの第213番ヌクレオチドから同じく第2エクソンの終わりまでの270bpが欠失したものであることが判明した。以上の結果から、このラットにおいては、EDNRB遺伝子の発現が著明に低下していること、及び発現したmRNAも異常なスプラインシングの結果その一部を欠失していることが、本ラットにおける腸管神経節欠損の原因であることが推察された。
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