研究概要 |
本研究は、先端研究にも役立つと思われる生体に近い解剖画像情報を網羅したラットの解剖アトラスの成書を作ることを目標に以下の実施計画を遂行し、下記の成果を得た。 2)我が国で市販されている主要な系統のラット(クローズドコロニー,近交系,ミュータント系)を購入し麻酔薬の過剰投与で安楽死させ、軟X線撮影後-80℃で凍結、軟X線写真を基に切断場所、切断枚数、厚さ、角度および立体的な方向等を検討した。ダイヤモンドソ-ブレ-ドを装着した断面標本作製機(マルト-:MC-140D)を使い、連続した一連の断面解剖標本(1〜2mm間隔・前頭断、水平断および矢状断等)を作成し、生理食塩水にて融解後、写真撮影(Hasselbladマクロ撮影用カメラおよび医用写真撮影装置:杉研MPS-11)を行った。断面標本はCMCで接着再構築後、再び軟X線撮影し前後の写真から正確な切断場所を確認した。 2)安楽死直後の動物を使い、断面解剖標本に相応するマクロ解剖写真を撮影した。また一部の動物は潅流後、血管内に色素を混入したラテックスゴムまたは造影剤等を注入することで動静脈系を強調させた画像を撮影することができた。 3)上記方法で現在まで約120本近いフイルムを撮影し、その中から約120ページ(140画像)に相当する画像をコンピュータでデジタル情報として取り込み、その画像をDPTソフトに貼り付け、引き出し線と解剖名を記載する作業を行っているが、これらの画像は、ラットの解剖学アトラスの成書を版下として利用可能と確信できる結果が得られている。
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