研究課題/領域番号 |
08680925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坪井 陽一 京都大学, 医学研究科, 助手 (60221420)
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研究分担者 |
村上 賢一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00174269)
エクテサビ アリ 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50232939)
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キーワード | イオンビーム法 / チタン / 生体材料 / 金属溶出 |
研究概要 |
本研究は、チタン系インプラント表面加工法の様々な問題点を解明し、より生体親和性の高い材料開発を目的として、半導体等表面処理技術のイオンビーム法を生体材料の表面加工と標本の微量金属元素解析(マイクロイオンビーム局所的超微細領域PIXE法)に応用し、新生体複合材料の生体新和性評価を動物実験により行うことを主目的とした。 イオンビーム法による加工したチタン系インプラントを動物(家兎の徑骨およびラットの腹膜)に埋入し、12週で屠殺し、周囲組織を含めて摘出した。各標本は光学顕微鏡と微量金属元素解析(マイクロイオンビーム局所的超微細領域PIXE法)により観察分析し、組織反応とイオプラント周囲組織に溶出したチタンなどの微量金属イオンの検出を行った。結果、以下のようなチタン材料の生体組織内における動態解明が行われ、イオンビーム法が新しい加工法であることが示された。 1)イオンビーム法による酸化チタンインプラントと数千Åのハイドロキシアパタイト薄膜加工チタンインプラントは極めて生体親和性の高いチタン系複合材料インプラントであることがIn vivoで判明した。 2)生体標本の観察を微量金属元素解析法(マイクロイオンビーム局所的超微細領域PIXE法)により行い、チタン系インプラントにたいする組織反応と界面構造さらに周辺組織へのイオン溶出とその分布が判明した。 上記の結果はEktessabiらによるin vivoによる材料の機械的および化学的安定性さらに原子組成分析の結果との相関も示唆され、生体材料の特性を知るには、in vitroとin vivoによる組織生体適合性実験が重要であることがわかった。
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