研究課題/領域番号 |
08680927
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
手島 光司 京都教育大学, 教育学部, 教授 (90026104)
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研究分担者 |
細川 友秀 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (10117905)
大島 敏久 徳島大学, 工学部, 教授 (10093345)
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キーワード | 高圧力パルス / 衝撃波 / 細胞の衝撃波耐性 / 細胞強度 / 正常細胞 / 腫瘍細胞 / 細胞の接着性 / 細胞膜 |
研究概要 |
我々は、高圧力パルスの生体への影響を微視的に捉えるために、衝撃波が細胞とその機能成分に及ぼす力学的、生理的影響を調べる目的で、過去数年継続して研究を行っている。昨年までの研究により、マウスの腫瘍細胞および正常細胞を衝撃波への耐性に関してみると、1)細胞によって3-4MPaのピーク圧力から破壊され始めるものと8MPaまでの圧力では破壊されないものに分かれること、2)この耐性の違いが細胞の接着性に関係し、非接着性浮遊細胞に比べて接着性細胞の方が耐性が高いこと、3)この耐性の違いは細胞の正常度と悪性度に関係ないこと、4)この耐性の違いは、細胞の大きさや内部構造密度の違いによるものではなく、細胞膜の構造の違いによる可能性があること、などを示した。本年度は、この細胞の耐性の違いの原因を解明するため、生体組織中での細胞の存在状態、細胞分化、あるいは細胞変異と衝撃波への耐性の関係、および同一細胞集団内での細胞ごとの耐性の違いの有無について調べ、次の結果を得た。 1.衝撃波への耐性は、細胞の大きさや細胞質の密度・細胞小器官の分布密度と関係しない。 2.衝撃波への耐性は、浮遊状態で増殖する細胞やリンパ系の細胞で弱く、接着状態で増殖する細胞や結合組織の細胞で強い。 3.正常の繊維芽細胞で調べた限り、衝撃波への耐性と細胞老化(分裂齢)との間には関係がない。 4.8MPaまでの圧力の衝撃波によって破壊される細胞でも、破壊細胞の割合が衝撃波の照射回数に伴って増加しないので、同一の細胞集団のなかでも細胞によって衝撃波への耐性に違いがあると推定できる。 5.この意味で、同一の細胞集団であっても衝撃波への耐性に関しては不均一であり、一部の感受性の細胞は数回の衝撃波照射によって破壊されるが、残りの耐性の細胞は照射回数を増してもピーク圧を上げない限り破壊されないと考えられる。 6.このような同一細胞集団内での耐性の違いは、個々の細胞の細胞周期と関係するかもしれない。 本年度の研究によって指摘された、いくつかの可能性の真偽を検討することが今後の課題である。
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